こんにちは、Winding Hourです。
今回は“THOMAS NINCHRITZ Vice Versa”を紹介いたします。
1.はじめに
Winding Hour管理人はこの時計を再取得いたしました。
この時計は数年前に購入したのですが、諸般の事情により一度売却してしまいました。それからパネライはラジオミールの1本体制だったのですが、この名機を忘れられず中古市場をちょこちょこ確認、一時は海外市場からの個人輸入まで検討しました。
そんななか、門前仲町の時計商「アルファオメガ」様にて委託販売を確認し、すぐさま現物を拝見しに伺いました。
現物を見て驚いたのが、文字盤のシリアル番号が過去に所有していたものと一致したのです。購入は現物を見てからと考えておりましたが、これも運命の再開と感じ、再取得に至りました。
仲介いただいたアルファオメガ様、また一度手放した時計を大切に使用してくださった前オーナー様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

2.THOMAS NINCHRITZについて
THOMAS NINCHRITZ(トーマス・ニンクリッツ、以下先生と呼ばせていただきます)とは、ブランド名というよりも「独立時計師」先生のお名前です。先生はドイツのニュルンベルクで懐中時計から置時計、柱時計、時計塔まで手掛ける時計修理のエキスパートでした。そんな先生がライフワークの一端として始めたのがオリジナル作品の創作でした。
先生が手掛ける作品のムーブメントは、懐中時計の機械として製造された歴史のあるユニタス(現ETA:6498-1)を徹底的にチューンナップしたものを使用しています。ドイツ時計に見られる3/4プレート(ムーブメントの上部プレートが一枚ものになっている)、グラスヒュッテストライプ(波状の装飾)、ゴールドシャトン(歯車の軸受けを金属製のリングで固定する)などが楽しめます。

3.今回のVice Versaについて
さて今回のVice Versaですが、見てのとおり非常に特徴的な外観をしています。通常裏面から見えるはずのバランスホイール(テンワともいう)が表からはっきりと確認できます。ムーブメントが表裏逆転させ、オフセンター(中心からずらした)の小文字盤で時間を確認できるようにしてあります。この時計に使用されているユニタスムーブメントは、実は僕のもう1つの愛用機、PAM00210にも使用されており、僕はこのロービート機(振動数が低いムーブメント)のバランスホイールがゆらゆらとゆっくり動く様子を、見たり耳を傾けたりするのが大好きです。これが文字盤側から常に見られたら、、、とよく思っていたときにこの時計と出会ったのでした。時間を確認できると同時にバランスホイールを見られるなんて、なんと贅沢な作品なのでしょう。
ただこの時計、独特過ぎて着用場面を選ぶ必要があると考えます。まずもって営業職には不向きです。悪目立ちすること間違いなしです(笑)。どちらかを売らざるを得ない状況だった当時、どうしても着用機会が限られるVice Versaを手放したという経緯もあります。

4.まとめ
今回は運命的な再開を果たしたThomas NinchritzのVice Versaを紹介いたしました。なおThomas Ninchritzのモデルは輸入代理店だった「シェルマン」様も取り扱い終了とのことで、今では新品入手は困難かと思われます。興味がある方はぜひ、中古市場を探してみてください。
5.主要諸元
- メーカー:THOMAS NINCHRITZ
- モデル名:Vice Versa
- 型式:NI 2000.6
- サイズ:42mm
- ムーブメント:TN203(UNITAS ETA6498-1ベース、18,000vph、パワーリザーブ約46時間)
- その他特徴:
- 日常生活防水
- オフセンターダイヤル
- シースルーバック

手巻き時計で、心を穏やかに。
Winding Hour


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